ロータリーの成長に対するマーク・マローニー会長の強い決意を受け継いでいけることを誇りに思います。とはいえ、数字を掲げて成長を求めるようなことはしません。その理由はごく単純です。これまで数字を掲げて成長を求めるたびに、失敗に終わってきたからです。皆さんには、数字にこだわる代わりに、有機的かつ持続可能なかたちで、いかにしてロータリーを成長させることができるかを考えていただきたいと思います。いかに現会員を維持し、クラブにふさわしい新会員を募れるか。そして、立ちはだかる課題に立ち向かうため、いかに組織を強くできるか。ポリオ根絶の取り組みによって世界でロータリーへの認識が高まっているこの絶好の機会に、行動を起こさなくてはなりません。「太陽が出ているうちに屋根を修理しなければならない」のです。

何もせずにこれまでの功績に満足していることはできません。デジタル革命が私たちにもたらした打撃は、予想をはるかに超えています。これまでもこの課題に直面していましたが、十分な対応が取られてきませんでした。時間は、私たちのためにスローダウンしてくれません。とはいえ、私たちは急速な変化に負けません。この機会をとらえてロータリーを成長させ、より強く、適応力を高め、中核的価値観により沿ったロータリーとなるのです。

「四つのテスト」は、客観的に物事を決める上で助けとなります。その要は、内省です。時に、自分の目で見たことが真実であるかどうかさえわからなくなることがあります。しかし、「四つのテスト」のおかげで、私たちはこう自問します。「自分は正直か」「自分のしていることは正しいか」、と。これは大切なことです。では、自分に正直であるなら、将来を考えたとき、待ち受ける課題に取り組むためにロータリーは十分に手を尽くしていると言えるでしょうか。

ロータリーは変わらなければなりませんし、必ず変わります。古き良きロータリーではなくなったと文句を言うロータリアン仲間がいたとしても、変わらなければならないのです。ポール・ハリスが言ったように、時に革命的でなければなりません。そして、革命的であるべきときは、まさに今なのです。その一つの方法は、新クラブのモデルをつくり、ロータリー会員であることの意味を考え直すことです。新クラブの設計者は、若い人たちであるべきです。

ところで、若い世代の声を聞き、既存クラブへの入会を若い世代にとってより魅力的なものとする一つの方法は、環境にもっと焦点を当てることです。オーストラリアの山火事など、近年の災害により、断固たる行動を取ることの重要性が浮き彫りとなっています。過去3代の会長は、環境保全にロータリーがより力を入れるべきであることを強く主張しました。できることは数多くあります。プラスチックの消費を減らすこと、自宅やオフィスの冷房や暖房を効かせすぎないこと、ドイツの高速道路で飛ばしすぎないこと......。ロータリーは奉仕プロジェクトに環境保護や持続可能性を既に組み入れていますが、これらの問題をもっと優先させなければなりません。若い人たちは、私たちから行動へのインスピレーションをもらうことを待ち望んでいます。

今の若者は、奉仕を楽しみ、活動的でありたいと望んでいます。この傾向をローターアクトに見ることができます。ローターアクターは今や、私たちと同じく、国際ロータリーの一部です。作為的な年齢制限は廃止されました。自分たちに一番合うロータリーの体験はどのようなものかを、ローターアクター自らに決めてもらおうではありませんか。ローターアクターと一緒に活動したことのある方なら、この若者たちが聡明で、活発で、行動力のある人たちであることを知っているはずです。ローターアクターは、テンポが速く、より活動的で、せっかちです。この「せっかち」は、長所です。今すぐに結果を出したいから、物事を早く成し遂げるのに必要な仕事に取り組もうとします。
このせっかちさと粘り強さが、成果を生みます。9年前、ベルリン動物園と協力した新しいプロジェクトのアイデアをロータリアンたちが思いつきました。それは、年に1度、週末に、運動、読書、健康的な食事を促進するために子ども向けの楽しいショーを開催するものでした。ロータリークラブがまだこのプロジェクトについて検討し、協議している間に、ローターアクターたちはこれを早速開始することを決めました。そして今、ベルリンの全36のロータリークラブとローターアクトクラブがこのプロジェクトに参加し、何千人という恵まれない子どもに喜びを与えています。
ですから、課題に立ち向かい、ローターアクターや若い職業人にロータリーの扉を開こうではありませんか。

一方で、ロータリアンとなるのにふさわしくない年齢はないということも覚えておきましょう。年齢にかかわらず、誰でも歓迎します。どの年齢の人も、与えることのできる大切な何かをもっています。若いロータリアンに働きかけながらも、ほかの年齢の人を忘れてはなりません。

新会員を、会員数を増やす人員であるかのように考え、やがて忘れてしまうというのは止める必要があります。退会した人はロータリーについて周囲に話し、これがロータリーのイメージに影響します。すべての新ロータリアンに、生涯のロータリアンになってもらいたい、ロータリーに積極的に参加する友人になってもらいたいと、私たちは考えています。

新しい人と出会い、その人たちにロータリーを楽しんでもらうことは、私たち自身にとっても楽しみであることを忘れてはなりません。私たちは、互いのつきあいを楽しみながら、さまざまな活動で充実した時間を過ごしています。このような楽しい経験を生かす必要があります。
楽しむための一番の方法は、この協議会や国際大会のような大勢の会議であれ、奉仕プロジェクトや例会であれ、皆が集まること(together)です。集まれば、より活動的になることができます。

ロータリーが唯一無二で、世界とシェアするに値する存在であるのはなぜでしょうか。皆さんご自身や奉仕の受益者に、どのような比類ない機会への扉を開くことができるでしょうか。

私たちは人との交わりを楽しみます。世界のどこへ行こうと、出会ったロータリアンと親友になり、もっと一緒に時間を過ごしたいと感じます。私たちは、異なる環境、異なる世代、言葉、文化をもっています。ロータリーでの過ごし方でさえ、国によって、またクラブによって異なります。この多様性こそが、ロータリーを素晴らしいものとしているのです。

私たちは、共有する価値観の下に集まっています。私たちは皆、固い友情でつながり、「四つのテスト」を信じています。ロータリーを経験する方法はいたるところで異なりますが、「四つのテスト」は誰にとっても同じです。

ロータリーは、奉仕プロジェクトを実施し、やり遂げる機会を与えてくれます。これらは、意義があり、持続可能なプロジェクトです。ロータリーでは、寄付だけでなく、奉仕活動も行い、その奉仕がもたらす持続可能なインパクトをこの目で見ることができます。これは、他にはない機会です。

ロータリーは、奉仕のアイデアを実行に移すために、世界を旅する機会を私たちの多くに与えてきました。

ロータリーはまた、リーダーシップの機会も与えてくれます。私たちは皆、新しい大きな責務を引き受けました。これは、自分自身の栄光のためでなく、ロータリーのために、ロータリーのネットワークを強化する機会です。人びとのためにリーダーシップへの道を切り開いてあげることこそ、真のロータリーの理念であり、そうすることで皆さん自身がより効果的なリーダーとなります。

私たちがここに来たのは、ロータリーがもたらす機会を信じているからです。それは、ほかの人びとにとっての機会であり、私たち自身にとっての機会です。奉仕の行いは、その大小にかかわらず、助けを必要とする人たちのために機会を生みだすものであると信じています。私たちはまた、どんな奉仕の行いも、インスピレーションを与えることで私たちを変える力をもっていることを知っています。 ご存知の通り、ロータリーとは、クラブに入会するというだけでなく、無限の機会への招待です。ポリオ根絶のように大規模で歴史的なプロジェクトから、地域社会でのささやかなプロジェクトや1本の植樹まで、奉仕する機会への扉を開いてくれます。私たちの中核的価値観を基に、世界中の友人たちとともに、より豊かで意義ある人生への機会の扉を開いてくれます。ロータリアンとして、ロータリーにとってのこの素晴らしい時にリーダーの役割を務められることは幸いです。私たちのあらゆる活動が、どこかで、誰かのために機会の扉を開いています。

従って、私たちの年度のテーマは、「ロータリーは機会の扉を開く」です。


2020-21年度 国際ロータリー会長
     ホルガ―・クナーク

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